釣り仲間の友情

川をソロ(一人)で静かに釣り上がる機会が多いが、仲間と源流域に一緒に出かけるのも楽しいし、とても心強いことも多い。 バックカントリーでの怪我や、熊等との接近は大事に至る事も少なくない。でも釣り人にとって仲間は、もっと大きな、そして重大な役割を担っているのである。これが友情と言えるかどうかは、本人たちの心構えしだいであるが・・・・・。

家族の顔色を伺いながら、妻に『中村君がどうしても新しいロッドを試してみたいが、雨が降った後なので一人では心配だから是非付いて来て欲しい』と頼まれたんだけど・・・・こう切り出せば十中八九、作戦は成功するに違いないのだ。中村君が奥さんととても仲がよければ尚更である。多分中村君も、彼の奥さんに同じような事を言っているのに違いないのだ。

クラブメンバーの全員参加と称して『イベントに参加しなければみんなに顔が立たない』とか 『初心者へのボランティアに参加するとか』とりあえず我々はどんな口実でも良いから釣りに行ければいいのである。

でも『疲れた心を癒しに行く』とか、『自然の中でリフレッシュしてくる』などといったら『家族をほったらかしていけるの』といわれそうだし、それに十分に反論できる自信もないのである。だから友情を持ち出すのが、一番手っ取り早いのである。

ところで最近、日本の知り合いから『あの木村拓哉さんがフライフィッシングをしているらしい』との噂を聞いた。もし奥様たちに『木村拓哉からXX川に是非一緒に行ってくれと頼まれたんだ』と言ったら、世の奥さんの殆んどが『行ってはダメ!』などと口にしないだろうと、私は確信している。釣行回数は」飛躍的に伸びる事、間違いない。

その上行く日の朝には、今まで見た事もない立派な手作り弁当が用意されるに違いない。
もしかすると、ひそかに美容院など行ってオメカシした奥さんが、助手席に座っていると言う事にも?

そんな話がフライフィッシャーの奥様たちのあいだで、コッソリ話されるようになると、巷では木村拓哉さん目当ての、にわか女性フライフィッシャーがあふれ、それに目をつけたブランドメーカのシャネルがフィッシングベストを、ルイビトンはフライボックス、プラダはウェイダーを日本市場向けに売り出す事態に発展するのである。

そして何処の川にもトイレが完備され、女性を呼ぼうと躍起になる。そして一気にフライフィッシング業界は売り上げ業績が好転する。
木村拓哉さんはフライフィシング業界にとって救世主になること間違いなしである。

さて貴方の釣り仲間に、木村拓哉さんの名前が加わったとしたら 貴方の奥さんはどの様な行動に出るのか楽しみ(?)である。