シエラの宝石、ゴールデントラウトを釣る

今回は女性のフライフィッシャーと純血種のゴールデン・トラウトを釣りに出かけた。駐車場から3kmほどトレールを歩いて向かうことになる。登り降りを繰り返す標高差は150m、バックパックに昼ごはんや雨具などトレッキングの装備を詰め込み歩き始める、腰には熊ベルをぶら下げているのは,言うまでも無い。

トレールを歩くこと1時間、1本の川がトレールと交差している。丸木橋を渡ろうとすると、下流10mの岩陰に黒い影が動いている。早速フライロッドを取り出し、リールやラインをセットする。本日最初のフライはヘッドライトCDC カディス サイズ20番 をティペットに結んでみた。http://www.ardentfly.com/shop/head-light-cdc-caddis_fly.htm

魚の前50cmの落とすと、そのままフライは水の流れに乗ってゆっくりと魚の鼻先へ、魚は疑うことも無くそのフライを口に入れた・・・・・ゆっくりあわせて、今日の初ゴールデン・トラウトをここで手にした。帰りに時間があればこの流れを攻めようと彼女に告げ、トレールを先へ進む。

その後トレールの右手に川が現れるが、釣り易そうな平らな草地はなかなか出てこない。1時間後やっと広い見通しの良い草地に蛇行した流れを見つけた。でも予想以上に渇水で水の流れが無い。でも多数の魚が水中を猛スピードで自分の巣穴に戻っていくのが見える。確かにゴールデン・トラウトが多数居るのは間違いないが、流れの殆ど無いこの小川では、蛇行した流れにいくつか出来た深さ20~50cmほどの淀みでしかフライで釣れそうな場所は無いように思った。

例年なら瀬になっているだろうと思われる場所は,僅か2cm程野の深さしかなくフライさえまともに流れない、でも魚は我々の気配を感じると、そこを猛烈なスピードで泳いでいき、プールのバンク下の穴の中へ飛び込んでいきます。そしてその釣り方は一般的なドライフライのつり方とは少々違う方法が有効となった・・・・・・・流れの無い淀み(プール)の真ん中にドライフライをキャストする、しばらくそのままじーっと放置、我々も身を潜めて・・・・流れが無いのでフライは長い間ほぼ同じ所に留まって居ますが、たまに吹く風で僅かに左右にと漂う・・・・・5分~10分すると、バンク下の穴の中から魚が出てきて、水面に浮いているフライに興味を持つ魚が出てくる・・・と・・・その魚の動きに合わせフライに僅かなアクションを加える・・・・魚はそれを口にしようとアタックしてくる・・・・軽くあわせを入れて釣り上げる。これが面白いように釣れるのです。この方法で僅か3時間ほどで35匹以上のゴールデン・トラウトを手にしたのです。確かに方法はどこか餌釣りのようで、フライフィッシングといえないような釣りですが、やってみるとフライに近づいてくる魚の動きを読んで、フライのアクションを調整する・・・・・サイトフィッシングなのです。

友人の話だと、現在アメリカで流行しつつあるテンカラでこれによく似たアプローチが紹介されることがあるという。テンカラはいまやJapanese Fly Fishingとして、あのオービスも専用ロッドの販売を始めたほどだ。そしてバックカントリーに入り何日も過ごすハイカーにとって、軽量でコンパクトな釣り道具は、フレッシュな食材を得るための重要な条件となっている。そのためか、テンカラに早い時期から目を向けた人物には、ウルトラライト・ハイキングの世界で著名なライアン・ジョーダン(Ryan Jordan)などがいて、彼は自身のブログや媒体でテンカラを積極的に紹介している。

3時に帰路につくが、途中、最初に見た橋の付近では、落ち込みの中に4尾ほどのゴールデン・トラウトがいて盛んにエサを追っており、彼女が#18のグレーのカディスでねらってみると、次々と面白いように釣れた。その下流のいくつもの岩影に魚の気配を感じられ、ここでもしばしゴールデン・トラウトと戯れた。